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平成27年度一級建築士学科試験の総評
「午前の部」と「午後の部」で合計82問出題のうち60問解答と、出題数・選択数は例年通りでしたが、個々の設問の中には新傾向のものや細かな内容を問うものが目立った点が注目されます。
出題は総じて難易度が高い印象がありますが、各分野とも、基本事項についての基礎知識をいかに着実に身につけていたか否かが、大きく合否を分けるポイントとなったといえます。
今後の対策としては、過去問のより丁寧な学習をベースに、新傾向の記述に惑わされず、「適切な問題の選択」と高得点が可能な「基本問題や過去問の類題を攻略」することが有用と考えられます。
◆午前の部◆[環境工学・構造・材料]:問題1~問題15 ※15問題中12問選択解答
「建築学」の問題では、過去に出題された選択肢の記述とやや異なる出題がみられましたが、丁寧に過去問を学んでいた方には、合格ラインの得点は概ね確保できたと思われます。
「環境工学」では目新しい問題が出題される傾向にありますが、15問題中12問題選択という選択幅が狭いなかで、「構造」の問題の割合が多いため、特に構造についての確実な基礎力が身についているか否かが重要なポイントとなります。
「構造」については、単に記憶しているだけでは不十分で、基礎的な事項についての理論を確実に理解していることが問題を解く鍵となります。
[施工-共通-]:問題16~問題20 ※5問題中全問題必須解答
「共通」の問題は全問必須解答となっていますが、いずれの問題も基礎的事項をしっかり理解していれば解ける問題でした。この分野は、単に過去問を解くだけでなく、出題内容を理解しながら学習し、得点源とすることが出来る分野といえます。
[躯体工事・仕上工事]:問題21~問題45 ※13問題中5問。12問題中5問題選択解答
「躯体工事」と「仕上工事」の問題は、やや専門性の高い内容や細かな数値を問う難しい出題も多く見られました。しかし、13問、12問という多くの出題の中から各々5問を選択できることを考慮すれば、全体的にはやや難しいといったレベルと考えられます。しっかりとポイントを絞って学習し、確実に解答できるようにすることが必要です。
◆午後の部◆[施工管理法]:問題46~問題70 ※25問題中全問題必須解答
「施工管理法」の問題は25問の出題すべての解答を求められていますが、設問は例年に比べてやや易しく、過去問をしっかり学習した方には、得点源になる問題であったと思われます。
[法規]:問題71~問題82 ※12問題中8問選択解答
「法規」の問題は、建築基準法、建設業法、労働安全衛生法、消防法、道路交通法等、例年、広範囲から出題されますが、今回は、新傾向の選択肢が多く見られ、全体としてやや難度が高くなったといえます。また、建設業法、労働安全衛生法からの出題比率も例年高いため、これらに関する基礎的知識を着実に身につけておくことも重要です。

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