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令和3年度一級建築士一次検定試験の総評

出題数等と難易度

令和3年6月13日(日)に、新試験制度変更後初めての第一次検定試験が実施されました。 変更点は下記の通りとなります。

・総出題数 : 82問 から 72問 に減少
・総解答数 : 60問で変わらず。→選択の幅が縮まった。
・「躯体」分野の出題 : 従来は13問中5問選択であったが、10問中7問選択となった。
・「仕上」分野の出題 : 従来は12問中5問選択であったが、 9問中7問選択となった。
・「五肢二択」の出題 : 各問につき、二つの正答肢を選ばないと得点できない。

上記内容により、全体の難易度はやや上がったと言えましょう。特に「五肢二択」問題については、二つとも正しく選択して「1点得点」となり、かつ、6問中4問正解しないと「足切り」となるとされていることからも、全体の難易度はやや高まったと言えるでしょう。

午前の部

出題範囲は広範囲に及び、下記問題においては、かなり専門的な数値・用語について問われました。

・№13 : スライディングドアの性能
・№14 : ルーフィング材の呼称数値の意味
・№15 : 塗料の塗膜形成に関する知識
・№29 : 大断面集成材に関する知識

細部を問われる問題を選ばずとも、他の問題で得点すれば基準点はクリアーできますが、従来の出題範囲をやや広げ、かつ、より詳細を理解する必要があります。

午後の部

初めての主題形式の「五肢二択」問題については、試験実施機関からの公表によると、「施工管理法」からの出題とのことでしたが、実際には、「躯体」と「仕上」の施工知識からの出題でした。特に、№58については、正しい肢を二つ選ぶためには、細かい数値を把握している必要がありました。その他、高難易度であったものとしては下記設問が挙げられます。

・№45 : 鉄骨工事の生産性についての正確な知識
・№53 : 「特定元方事業者の講ずべき措置」に関する一見単純そうでも、落し穴のある問題

基本的な知識を「点」として覚えているだけでは得点に結びつかず、系統立てて「線」として理解していないと得点できない、応用問題といえるでしょう。

来年度に向けて

「五肢二択」問回の出題範囲については、今年の公表に沿って「施工管理法」からとなるのか、 又は、初回の出題範囲に倣い、「躯体・仕上げ」分野からとなるのか、予想が分かれるところです。 足切り基準についても、今年の基準がそのまま継続されるか否かは、今回実施された一次検定の結果に大いに左右されるものと思われます。どのような分野からから出題されても、正答肢にたどり着けるように、機械的な暗記にとどまらず、問題演習を通じて系統的に理解することを目指してください。

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