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2020年度一級建築士実地試験の総評
令和2年度の実地試験の出題数は例年と同じ6問でした。各問の出題形式やテーマは通常の試験の出題サイクルに準じており、予想に難くはなかったものと言えましょう。

問題5の施工管理の出題でも、近年のネットワーク工程表の問題が定着してきており、一部に変動が見られますが、総じて基本に忠実に準備を進められ、題意を外さないように解答されれば、合格ラインはキープできたものと思われます。

【問題1 施工経験記述】

例年のサイクル通りの「施工の合理化」の出題で、設問も過去に見られたものです。 「経験記述の解答」として何を求められているかを適切に理解して、施工管理技術者にふさわしいテーマを選び、「工事概要」の「あなたの立場」や「工事の内容」が、解答と整合して明解に示すことができたかが、評価の分かれ目となりましょう。学科試験の解答のような、どの工事においても共通な事項のみを単に記述された方には、厳しい結果となったかもしれません。

【問題2 仮設・安全】

今年度は「設備又は機械の安全使用」でしたが、どの工事でも比較的一般的な機材でしたので、難しくはなかったと思われます。ただし、解答には除外事項が付されており、注意を要します。このようなところでの失点は避けましょう。

【問題3 躯体工事】

躯体工事と仕上げ工事は、1年置きに出題形式が入れ替わるこれまでのサイクルに沿って、躯体工事は「正誤訂正」の8問でした。詳細を問われるものもあり、やや難しかったかもしれません。

【問題4 仕上げ工事】

仕上げ工事は、「施工上の留意事項」の記述4問でした。ここでも解答の事項があります。「正誤訂正」に比べて、解答の題材や記述内容には「経験記述」同様に自由度がありますので、合格ラインの得点はキープしたいところです。

【問題5 施工管理】

ここ数年みられる「ネットワーク工程」に関するものしたが、今年度は「山積み・山崩し」も出題されています。しかし、フリーフロートの設問などは平明なものであり、暦日の要素を加えた出題は昨年にもみられ、基礎知識をしっかり習得し冷静に対応されれば、十分得点できたものと思われます。

【問題6 法規】

例年どおり「建設業法」、「建築基準法施行令」、「労働安全衛生法」からの穴埋め式問題でした。「用語」は法令の記述と同じである必要があり、確実な得点を期待することは難しいですが、重要事項に限られますので、ひととおり復習しておくことが合格への一助ともなりましょう。
以上、本年度の実地試験は、おおむね予想に違わぬ出題であり、総体的には難易度の高いものではなかったものと言えましょう。

「経験記述」は適切な準備により題意を外さなければ、かなりの得点がキープできましょう。更に合格を確実にするには、他の問題において、できる限り点を落とさぬことが大切です。いずれも基本に忠実な準備と試験に臨んでの冷静さが重要です。

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