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2019年度二級建築士学科・実地試験の総評

総評

令和元年度の後期試験の出題形式は昨年度に引き続いて、学科試験では専門分野の区別なく共通であり、実地試験では語句の正誤訂正問題が分野別の出題でした。

学科試験、実地試験ともに新傾向がみられましたが、基礎知識の理解と過去の出題に関する対策で対応でき、総体的には合格への難易度は必ずしも高くはなかったものと思われます。

午前の部:学科試験

No.3の音響に関するものや、No.12の建具試験と測定に関する問題などは、ややこれまでとは異なる出題といえましょうが、冷静に選択枝の記述を読み取れば、常識的な知識で解答できたかもしれません。躯体工事や仕上げ工事についても、わずかに新しい設問も見られますが、未だ過去問を中心にした対策でほとんどが対応できたものと思われます。

法規の問題は、No.48の安全衛生教育やNo.49の産業廃棄物に関するものなど、難易度の高いものも含まれましたが、解答する問題数の範囲で合格ラインはキープできたのではないでしょうか。

午後の部:実地試験

実地試験の出題形式や出題数は昨年と同じでした。

問題1の経験記述では、出題の予測に難くはなかった1の設問に対して、2の設問では1のテーマと異なる「産業廃棄物」に関するものであったことから、多くの受験生には想定外であったかもしれません。しかし環境保全については、現在の日常の関心事であり、基礎知識の一端は学科の法規などでも学ぶことから、自分のもつ知識の中からあまり背伸びせずに解答をまとめることで、ある程度対応できたのではないでしょうか。

問題2の用語の説明と留意事項は、例年想定範囲の出題であり、解答の選択と明解な記述で得点を固めたいところです。

問題3は昨年と同じ「バーチャート工程表」と「出来高表」からの出題でした。毎年少しひねったところがありますが、得点を確保できる要素は十分にあります。

問題4、問題5でもやや難易度の高いものも含まれましたが、全体として合格ラインはキープできたと思われます。

以上、実地試験では経験記述や工程の問題における、1級の出題のフィードバックもあり、難化傾向もうかがわれますが、多少の揺さぶりに動じないことが最も重要であり、習得した知識と応用力を生かして確実に得点を積み重ねること、新傾向の設問や工程の問題などに費やす時間配分などが有用な対策であり、合格を確実にするものといえましょう。

2級建築施工管理技士講座

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