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令和5年度一級建築士一次検定試験の総評

出題数等と難易度

令和5年6月11日(日)に、新試験制度下での三回目の第一次検定試験が実施され、7月14日(金)に合格発表がありました。全体的な難易度はやや高くなり、合格率も昨年から5.2%減少しました。

・総出題数は72問、 総解答数は60問で、昨年と同様でした。
・「躯体」分野の10問中7問選択解答、「仕上」分野の 9問中7問選択解答も昨年と同様でした。
・「五肢二択」の出題 : 昨年は「躯体工事」2問、「仕上工事」2問、「改修工事」1問、「施工管理」1問の計6問の出題でしたが、今年は「躯体工事」「仕上工事」から各3問計6問の出題となりました。この出題パターンは、一昨年(つまり新制度一回目の年)と同様であり、かつ、事前に講評されていた足切り基準「4問以上の正答」が「3問以上の正答」に緩和されたことも一昨年と同様となりました。
・「四肢一択」問題はやや難易度の高い問題が含まれ、、「五肢二択」問題につきましても、各工種の詳細な施工方法と、その基準となる細かな数値の把握が必要な、やや難解な問題でした。2つの選択肢を選ぶ際に、迷われた受験生の方が多かったのではないでしょうか。

午前の部

出題範囲は広範囲に及び、下記問題においては、かなり専門的な数値・用語について問われました。

・№8 : 「引張縁応力度」を求める問題で、1級建築士の学科試験「構造」で数年毎に出題される問題です。施工管理技士試験では初見となりますので、戸惑われた方が多かったのではないかと思料致します。

・№14 : 「防水材料の成分」に関する詳細な知識が必要でした。
・№16 : 数年ぶりに「植栽」についての出題でしたが、過去に出題された論点を、今までと異なる視点からの問い掛けであったため、難しかったのではないかと思います。

・№24 : 「鉄筋の機械式継ぎ手」に関する詳細な知識が必要でした。
・№28 : 「大断面集成材」に関する詳細な知識が必要でした。
・№38 : 「ALCパネル工事」に関する出題で、「床版敷設筋工法」という用語が初見となりました。

上記の様な難問の回答を避け、標準的な問題で如何に得点するか、本試験会場での問題選択の判断も、合否を決める重要なポイントになったと思います。

午後の部

1) 五肢二択問題 : 「不適当な選択肢2つ」のうち、「1つ」は選べるが、「もう1つ」を特定しずらい、という傾向が全6問全てに有ったのではないかと思います。この形式の問題が一昨年から出題されていますが、「足切り」回避の為の具体的な対策を定めずらい傾向が続いています。過去問の習得を基本とし、さらに一歩踏み込んだ知識を地道に増量することを実践するのが、遠回りのようで近道かと思われます。

2) 四肢一択問題 : 難易度が高く、特徴的であった問題は下記となります。
・№67 : 「労働基準法」に関する詳細な知識が必要でした。
・№71 : 「旧宅地造成等規制法」に関する詳細な知識が必要でした。

来年度に向けて

過去問を中心に、繰り返し問われている知識、基本的な知識を網羅したうえで、「五肢二択」問題で4問正解できる力を身に着ける必要があります。難易度の低い問題での取りこぼしが無い様に、知識を整理することが優先事項となります。更に、建設業界の日常の動向にも注意を払い、特筆すべき変更点や法改正等、新しい論点についての基本的な知識を蓄えていくことが効果的と思われます。

1級建築施工管理技士講座

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