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令和4年度一級建築士一次検定試験の総評
令和4年度1級1次試験合格率

出題数等と難易度

令和4年6月12日(日)に、新試験制度下での二回目の第一次検定試験が実施されました。

・総出題数は72問、 総解答数は60問で、昨年と同様でした。
・「躯体」分野の10問中7問選択解答、「仕上」分野の 9問中7問選択解答も昨年と同様でした。
・「五肢二択」の出題 : 昨年は「躯体工事」「仕上工事」から各3問計6問の出題に対し、今年は、「躯体工事」2問、「仕上工事」2問、「改修工事」1問、「施工管理」1問の計6問の出題となりました。選んだ肢の番号が二つとも正しい場合のみ正答となる点は昨年と同様でしたが、事前の公表の通り、4問以上の正答をしないと足切りにより不合格となりました。(令和3年度は3問以上の正答をしないと足切りにより不合格でした。)

「四肢一択」問題は標準的な難易度でしたが、「五肢二択」の問題における得点基準が厳しくなりましたため、全体の難易度はやや上がったと言えます。

午前の部

出題範囲は広範囲に及び、下記問題においては、かなり専門的な数値・用語について問われました。

・№ 5 : 専門用語を含む選択肢⇒「燃えしろ設計」・「直交集成材(CLT)の弾性係数」
・№14 : シーリング材のクラスや、硬化機構に関する知識
・№15 : 内装材料に関する専門的な用語
・№20 : 「公共建築工事積算基準」に関する知識
・№35 : 「防水形複層塗材E」に関する専門知識
・№37 : 「合成樹脂塗床の工法」に関する専門知識

各門の四つの肢のところどころに専門用語が含まれており、難解な印象でしたが、基礎的な知識を基に消去法で正答肢にたどり着くことは可能だったと思われます。従来の出題範囲よりやや広く、かつ、より詳細な理解が必要であることを示唆しています。

午後の部

1) 五肢二択問題 : 全6問の内、№59と№60では、施工上の詳細な知識を問われました。不適当な二つを絞り込むのが難しかったと思われます。足切り基準の関係で、基礎的知識を理解していれば正答に至る№55~№58の4問全てを正答することにより、足切り基準をクリアーした方が多かったと推察されます。

2) 四肢一択問題 : 難易度が高く、特徴的であった問題は下記となります。
・№49 : 「解体工事」に関する詳細な知識
・№66 : 「監理技術者」に関する詳細な知識

建設業法上の工事種目として最も新しく定められた「解体工事」と、令和3年に改正された「監理技術者の兼務・講習」についての設問で、新規の出題範囲として今後も対策が必要となりそうです。

来年度に向けて

過去問を中心に、繰り返し問われている知識、基本的な知識を網羅したうえで、「五肢二択」問題で4問正解できる力を身に着ける必要があります。難易度の低い問題での取りこぼしが無い様に、知識を整理することが優先事項となります。更に、建設業界の日常の動向にも注意を払い、特筆すべき変更点や法改正等、新しい論点についての基本的な知識を蓄えていくことが効果的と思われます。

1級建築施工管理技士講座

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