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平成26年度一級建築士学科試験の総評
平成26年度の試験の内容は、出題数、難易度とも、概ね例年の傾向に沿うものでしたが、一部、施工の問題では箇々の数値に係る知識を問う問題の出題が多かった点が注目されます。
いずれにしても、各分野とも、基本事項についての基礎知識をいかに着実に身につけていたか否かが、大きく合否を分けるポイントとなったといえます。
◆午前の部◆[環境工学・構造・材料]:問題1~問題15 ※15問題中12問選択解答 ■例年と同程度かやや高い難度
出題数15問題中、環境工学の問題が3、構造の問題が7、材料の問題が5で、各分野からの出題数は例年通りですが、15問題中12問題選択という選択幅が狭いなかで、構造の問題の割合が多いため、特に構造についての確実な基礎力が身についているか否かが重要なポイントとなります。
構造については、単に記憶しているだけでは不十分で、基礎的な事項についての理論を確実に理解していることが問題を解く鍵となります。
[施工-共通-]:問題16~問題20 ※5問題中全問題必須解答 ■例年と同程度
例年、設備の問題の比重が高いですが、平成26年も5問題中、設備の問題が3問題出題されました。しかしながら、いずれの問題も基礎的事項をしっかり理解していれば解ける問題でした。
[施工-躯体工事-]:問題21~問題33 ※13問題中5問選択解答 ■例年よりやや高い難度
従来の出題傾向に比して過去問題からの出題比率が低く、更に、施工における具体的な数値を問う問題の比率が高かったため、例年よりやや難度は高くなったといえます。
[施工-仕上工事-]:問題34~問題45 ※12問題中5問選択解答 ■例年よりやや高い難度
仕上工事においても、箇々の施工に係る具体的数値を問う問題の比率が高く、例年より難度はやや高くなったといえます。
各々の仕上工事については、いずれも基本的な重要項目で、日頃からの業務を通じても着実に理解する姿勢が問われているともいえます。
◆午後の部◆[施工管理法]:問題46~問題70 ※25問題中全問題必須解答 ■例年と同程度
施工計画、仮設計画、品質管理、安全管理等、施工管理に係る広範囲より出題されていますが、例年、過去問からの出題比率も高く、平成26年も全問題中の7割程度が過去問から出題されており、施工管理に係る基礎的知識が確実に身についていれば高い得点が得られたものと考えられます。
他方、この分野で着実に得点できることが合格のための必須条件ともなったともいえます。
[法規]:問題71~問題82 ※12問題中8問選択解答 ■例年よりやや高い難度
建築基準法、建設業法、労働安全衛生法、消防法、道路交通法等、例年、広範囲から出題されますが、平成26年は、建築基準法に係る3問題の全ての問題について、新規の事項を問う問題であったのが注目され、やや全体的に難度が高くなったともいえます。
また、建設業法、労働安全衛生法からの出題比率も例年高いため、これらに関する基礎的知識を着実に身につけておくことも重要です。

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